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フィギュアスケート技の解説

<ジャンプ>

1.アクセル(AXEL)

B01axel

前向き姿勢で踏み切る最高難度ジャンプ

まずは、難易度が最も高いアクセルジャンプ。アクセルジャンプの特徴は、前向きで踏み切ること。6種類のジャンプの中で、前向きのまま踏み切るのはアクセルだけなので、技術的には高難度でも、見分けることは比較的簡単です。

着氷は常に後ろ向きですから回転数は1/2回転加わり、1回転半がシングルアクセルとなります。

男子選手にとって、トリプルアクセル(3回転半)で得点を稼ぐことが上位に食い込むための重要な鍵になります。しかし前向きで踏み切るのは難しいため、選手によってはさらに高難度とされている4回転トウループのほうが得意という人もいます。

当然、女子にとってはことさら難しいジャンプとなり、トリプルアクセルを成功させた女子は過去に数えるほどしかいません。現在でも、浅田真央選手のように確実に跳べる選手は少ないのが実情です。

2.ルッツ(LUTZ)

左足“外側”に体重が乗ったらルッツ

B01lutz

アクセルの次に難しいとされるのが、ルッツジャンプです。

ルッツは、少し長めに左足の外側エッジに乗って後ろ向きに滑走し、左肩をぐっと入れて右のトウをついて跳びます。滑走で描いてきた軌跡と反対の回転をかけながら踏み切るので難しいとされるジャンプです。「左足外側エッジ」というのが重要なポイントで、これが「左足内側エッジ」に体重を乗せてしまうと、正しくないエッジと判定されて減点対象となります。

長く左足で後ろ向きに滑走して跳ぶ選手と、右足で滑走して踏み切る直前に左足を右足にかぶせるようにクロスさせて踏み切る選手がいます。後者の場合、フリップとよく似てきます。

3.フィリップ(FLIP)

B01flip

フリップを見極めたらジャンプ通

前述のとおり、ルッツと非常によく似ているので見分けるのが難しいのがフリップジャンプです。

ジャンプする直前に左足内側のエッジに乗り、右のトウをついて跳びます。慣れるまで、なかなかルッツとの見分けがつかないかもしれませんが、前向きに滑走して踏み切る直前にぱっと後ろ向きになって跳ぶことが多いので、これを1つの判別ポイントにしてみてください。会場で見分けられなかった方は、テレビでの観戦の機会に解説を参考にしながらじっくり見てみるといいでしょう。

フリップとルッツの判別がすぐにできるようになったら、あなたも“ジャンプ通”になった証拠です。

4.ループ(LOOP)

B01loop

ジャンプ直前の腰掛け姿勢がチェックポイント

右足踏み切りで、トウを使わないジャンプがループジャンプです。

右足外側のエッジで滑りながら、左足を少し前に出して、滑ってきた勢いを使って踏み切ります。跳ぶ瞬間に、イスに腰掛けたような格好になるのが特徴です。

最後に紹介するトウループも同じように右足外側エッジに乗って跳びますが、トウループはフリーレッグのトウを氷につくので判別は容易でしょう。

比較的難易度の低いループは、トウループと同じくコンビネーションジャンプの2番目に跳ばれることが多いジャンプでもあります。ただし、着氷した右足でトウピックの助けなしに再び跳び上がらなければならないため、トウループよりも難しいとされています。

5.サルコウ(SALCHOW)

B01salchow

安藤美姫が4回転を決めたジャンプ

サルコウジャンプは、ループ、トウループと同じく、ジャンプする直前の体の進行方向が、ジャンプの回転方向と同じです。そのため滑る勢いをそのままジャンプに生かしやすく、比較的難易度が低いとされるジャンプです。

左足内側のエッジで滑りながら、右足を前上方に振り上げて跳ぶので、瞬間、内股が「ハ」の字になります。踏み切るときにスキーのボーゲンのような体勢になったら、サルコウと判断できると思います。

比較的易しいジャンプなので、男子ではトウループに次いで4回転ジャンプに使われるジャンプです。日本の安藤美姫選手が、女性では初めての4回転ジャンプを決めたのもこのジャンプです。

6.トウループ(TOE LOOP)

B01toeloop

用途多様なナチュラルジャンプ

最後に、いちばん易しいとされるのがトウループジャンプです。

右足外側のエッジに乗り、左足のトウをついて踏み切ります。ループと同じく、滑ってきた軌道を利用しながらトウをついて跳ぶので、最も跳びやすいジャンプとされ、観戦者の目には、自然の流れに乗って跳んでいるように見えます。

男子シングルで跳ばれる4回転は、その大半がこのトウループです。また、コンビネーションジャンプの2つ目に跳ぶジャンプとしてもよく使われますから、競技中、いろんな場面で見ることができるジャンプでもあります。

<スピン>

基本的なスピンは3種類です。

a.まっすぐに直立したアップライト系スピン
b.しゃがんだ状態のシット系スピン
c.上体と片足を氷と平行の位置に保ち、T字型になって回るキャメル系スピン

これらにバリエーションを加えることによって名前が変わります。回転方向はジャンプと同様、反時計回りの選手が大多数です。レベルは1から4に分かれますが、難易度は様々な要素の複雑な組み合わせで決まりますので、まずは

・軸がぶれていないか
・同じ場所で回っているか
・きれいな姿勢がとれているか

の基本ポイントに注目してください。

1.シットスピン

Photo_2その名前のとおり、片足で“しゃがんだ姿勢”で回るスピン。フリーレッグ(軸足に使っていない足)をまっすぐ前に伸ばした、前傾姿勢が基本。中腰ではなく、きちんと腰が落ちていなくては美しいシットスピンになりません。しゃがんだお尻の下の位置が、膝よりも低くならなくてはいけないとされています。

2.キャメルスピン

Photo_3伸ばした片足を軸にして、上体を氷と平行になるように倒してTの字型になって回るスピン。上体をひねって上を向いたり、腕を使ったりして、さまざまなバリエーションが展開できます。

3.レイバックスピン

Photo_4 片足を軸に、上体を反らした状態で回るスピン。主に女子が行います。フリーレッグをまっすぐ後ろに伸ばした姿勢が美しいとされています。美しいポジションのレイバックスピンはまるで氷の上に花が開いたように見えます。

4.ドーナツスピン

Photo_5キャメルスピンの変形。フリーレッグを後ろから頭をつけ、ドーナツのように丸く見えることから、こう呼ばれています。ビールマンスピンと同様、優れた柔軟性が要求される技。日本の中野友加里選手のドーナツスピンは世界一とも評価されています。

5.ビールマンスピン

Photo_61981年世界選手権で優勝した、デニス・ビールマン選手が世界で初めて行ったことから名前がつきました。両手あるいは片手でフリーレッグのブレードを持ち、背後から頭上に持ち上げた形のスピン。女子がほとんどですが、男子でも日本の柴田嶺選手のように、しなやかな体でこのスピンを見せてくれる選手もいます。

<ステップその他>

ステップとスパイラルシークエンス

エッジのさまざまな場所に体重を乗せ換え、床上でのダンスのように、細かいターンなどを入れながら滑っていくのがステップです。
また、ある図形を描きながらステップを踏み続けていくパターンが採点要素の一つ、ステップシークエンスで、

・時計/反時計回りの両方の回転をどのくらい取り入れているか
・上半身の動きのバラエティー
・ステップとターンの多様さ
・切り替えのすばやさ

などによって、レベル1から4に評価されます。ステップシークエンスがシングル、ペア、アイスダンスすべてに共通した要素である一方、スパイラルシークエンスは女子とペアのみに必須の要素です。
スパイラルとは片足を腰より高い位置に上げた姿勢で滑ること。上げた足の高さがあることだけでなく、エッジにきちんと乗っていて、頭があまり下がらず、胸を張った姿勢を保っているのが美しいスパイラルです。

女子選手は通常のステップシークエンスの代わりにスパイラルステップシークエンスをショート、フリーともにプログラムに入れています。

ショートの場合はポジションを3つ以上変えながら滑るなど、細かい規定もあります。ストレートライン、サーキュラー、サーペンタインの3種は、氷上に描く軌跡によって呼び分けられています。

男子選手はこの3種のうち異なる2種類を、女子選手はいずれか1種類をプログラムに入れています。

1.ストレートラインステップ シークエンス

B01step1_2リンクを端から端まで真っ直ぐに縦断していくステップ。プログラムの後半、音楽の盛り上がりどころに持ってくる選手が多い。1998年の長野冬季五輪ではフィリップ・キャンデロロ(フランス)の「三銃士」、02年ソルトレークシティー冬季五輪ではアレクセイ・ヤグディン(ロシア)の「仮面の男」と、ストレートラインステップの印象的な名プログラムが生まれた。男性スケーターが力強さをアピールするには最適のステップとなっている。

2.サーキュラーステップ シークエンス

B01step2リンクに大きな円を描くように踏んでいくステップ。やわらかな音楽に合わせ、滑りの上質さ、動きの軽やかさなどをアピールする選手が多い。多彩なエッジの切り替えなど、高度なステップもストレートラインよりも見せやすく、最高難度のレベル4も取りやすいといわれている。

3.サーペンタインステップ シークエンス

B01step3リンクに大きく波の形を描くように踏んでいくステップ。ストレートラインやサーキュラーより描く軌跡が長いため、ステップをじっくり踏みたい選手にとっては見せ場となる。しかし時間も長く必要なため、決められた要素を時間内に詰め込まなければならない現在の採点システムの元では、プログラムに入れにくくなってしまった。

4.スパイラルステップ シークエンス

B01step4片足を腰より高い位置に掲げ、一定時間以上形をキープしたまま滑る技がスパイラル。足を後方に上げるバレエのアラベスクに似たポジションがオーソドックスだが、腰より上ならば足は体の横に上げても前に上げてもスパイラル。手を足に添えたり放したり、ビールマンのポジションを取ったりと、バリエーションは多彩。

ステップ及びターンの種類

1.ステップの種類
「トウステップ」「シャッセ」「モホーク」「チョクトー」「クロスロール」「チェンジエッジによるカーブ」
2.ターンの種類
「スリーターン」「ツイズル」「ブラケット」「ループ」「カウンター」「ロッカー」
スパイラルの種類
1.アラベスクスパイラル 

Photo_8最も基本的なスパイラルのひとつで、フリーレッグを後方に上げ上体を前に倒してバレエのアラベスクのような姿勢で行うスパイラル。

2.ビールマンスパイラル 

Photo_9フリーレッグを背中から頭上に伸ばし、手で伸ばしたフリーレッグを掴んだビールマンポジションで行うスパイラル。

3.クロスグラブスパイラル 

Photo_10左足がフリーレッグの場合は右手でフリーレッグを掴み、右足がフリーレッグの場合は左手でフリーレッグを掴むスパイラル。フリーレッグを頭上に伸ばしビールマンポジションの際にはクロスグラブビールマンスパイラルと呼ぶ。

4.ファンスパイラル 

Photo_11最も基本的なスパイラルのひとつで、軸足はバックサイドエッジのままフリーレッグを腰の高さより上げて行うスパイラル。

5.Y字スパイラル 

Photo_12フリーレッグを高く持ち上げ、体がアルファベットの「Y」の字に見える状態で行うスパイラル。

ムーブメントやアクセント

単体では基礎点を持ちませんが、ジャンプやスピンの前に入れたり、つなぎに使ったりすることで評価につながる技もあります。
トリノオリンピック金メダリスト、荒川静香さんの演技で有名になった「イナ・バウアー」が代表的なものです。

Photo_13イナ・バウアー

片足を曲げて前に、片足を伸ばした状態で後ろに引いて、横方向に滑る技術。荒川選手のように背中を大きく反らせるバリエーションを加えると、さらに美しく見えます。

Photo_14イーグル

クラシックバレエで言う2番、つまり両足を伸ばした状態で180度に広げ、つま先を外に向けて開いた状態で滑っていく技です。腰が折れたり、お尻が突き出たりしない姿勢が美しいとされています。

Photo_15バタフライ

氷をけって体を一瞬氷と平行にする技です。スピンの前や途中に入れたり、連続して行ったりすることで、演技に迫力を与えることができます。

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コメント

フジTVは瞬間視聴率は欲しいが、視聴者は要らないみたいな放送でしたね。

投稿: お邪魔します | 2010年12月24日 (金) 22時35分

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